あるたま草

毒にも薬にもなりません。のんきな毎日のひとりごと。

伊坂幸太郎

AX アックス (角川文庫)

AX アックス (角川文庫)

2022年9月1日公開予定の映画「ブレット・トレイン」が面白そうだなぁと思い、「マリアビートル」も読んでみようと、殺し屋シリーズを読むことにしました。

確か伊坂幸太郎は、大学時代の友人Mちゃんが面白いと言っていて、陽気なギャングシリーズを読んだ記憶があります。

グラスホッパー

一日で一気に読んでしまいました。ただ、殺し屋2人が押し屋にそんなに執着する必然性があまり感じられず。対決する必要もあったのかどうか。鯨は殺し屋にしてはメンタル弱すぎでは。幽霊が登場するのでファンタジー要素もあります。魅力的なキャラクターがあまりいませんが、ストーリーが気になるので暇つぶしに読むには面白い作品です。

◆マリアビートル

グラスホッパーより面白いです。ちょっと中盤視点がコロコロ変わるので混乱しましたが、終盤はスッキリまとまりました。魅力的なキャラクター(伝説の殺し屋)も出てきたし。しかしムカつく中学生のキャラクターはファンタジーでした。蜜柑と檸檬の合言葉は一体何だったんでしょう。

◆AX(アックス)

泣ける。淡々と進むストーリーですが、最後は胸が詰まります。子供・家庭がいる殺し屋の話で現実味はないですが、落とし所はここしか無いのかな、という終わり方でした。殺伐とした内容なのに、ホッコリしてしまうのは不思議。家族の力でしょうか。複数の視点で、幸せも人それぞれだなと思いました。殺し屋の息子は殺し屋、にならず立派に育ってくれて嬉しいです。

◆モダンタイムス

システム、仕事、言いたいことはなんとなく分かるけど、でも説明がくどいわりに分かりにくい。なんだかよく分からないけど、ハッピーエンドなのかしら。スッキリしない話でした。

ゴールデンスランバー

いや、面白かった。最後泣ける。しかし内容は理不尽すぎてビックリ。現実離れしている。でも内容はハラハラして面白かった。主人公の父親と張り込みしてて監禁された警察官のキャラが良い。

◆フィッシュストーリー

うーん。あまり面白くない。ポテチはちょっとホロっとしたけど。全部中途半端?「手法的に色々やってみたかった事をやった」といった事を後書きに書いてたけど、力不足では。

陽気なギャングが地球を回す

面白かった。読みやすいし、スッキリまとまっている。ただ、響野が本当にウザい。内容は分かりやすく楽しいのであと2作も読んでみようと思う。

◆陽気なギャングの日常と襲撃

短編集が第一章で、その後第二章以降は長編書き下ろしとのことたが、間延びしている。内容は面白いけど、あちこち場面と登場人物が飛び過ぎてわかりにくい部分もあり。まぁおとぎ話との事なので、気楽に読むものか。

◆陽気なギャングは三つ数えろ

今回は強盗のお仕事なく。これだけ性根が腐っている人物を登場させると、悪い人物も正義の味方みたいに逆転してしまう。ストーリ的にはまぁまぁ面白かった。響野がうっとうしい。

アヒルと鴨のコインロッカー

おー、面白かった!えっ、そうなん?と読んでてビックリ。ちょっと主人公女性と男性の結末はやきもきした割にあっけなかったけど。一気に読める。意外性あり。叙述トリックてやつか。

「マリアビートル」は派手で映画映えするけど、「AX」も邦画で実力派揃いで映画化されたら面白そうです。