夫が買ってきてくれた「まろ丸伊勢参り」を読んでみました。「しゃばけ」で有名な畠中恵らしいです。全然読んだことがないジャンル、著者です。
読んでみたら江戸時代のお伊勢参りの話でした。当時の風習、地理などが織り込まれています。東海道を越えて、川を渡って、雨なら傘をかぶって、旅籠に泊まって、という江戸時代に旅しているような気分になって結構楽しかったです。
主人公が人生に悩みながらも旅をする、というストーリーですがそんなに本人が悩んでいる深刻さはあまり感じられず、結末はハッピーエンドみたいな感じなので都合がいい内容ではありました。でも結局は、運もあるけれど、成功したければまずは努力をしないといけないよ、というメッセージがあったかと思われます。
江戸時代の旅なので、移動はもちろん徒歩です。ひたすら歩いて、時には馬を使ったり、川越えの人を使ったりと今の旅行からは考えられないですがその分見える景色も違うというのがなるほど、と思いました。

飛行機、新幹線の高速移動も便利ですが、鈍行もまた味があります。夫と青春18きっぷを使って在来線で静岡を東へ向かった時、あれは東海道本線だったか蒲原で「うおー、ここが久保田利伸の実家周辺かぁ!めっちゃ田舎!」と感動した記憶があります。また、それから過ぎて富士に近づくにつれて、窓から富士山が見えたのにはたいそうビックリしました。「えっ、えっ、富士山ってこんなにデカいん?めっちゃすごいやん!綺麗!」と興奮して急いで立ち上がり、ドア前に向かったのは私だけでした。至近距離で富士山を見たのは初めてだったのです。

在来線なので、周囲は通学、通勤の乗客のみ。そこに日本一の立派な富士山があるのに、もう見慣れているので普通に携帯見たり、本を読んだり、寝たり、の風景が新鮮でした。夫もこの路線は乗ったことがあり、富士山を何回か見ているのでそんなに驚かなかったのです。
旅行者と地元民の温度差。これものんびり移動する旅ならではだなと思い出しました。
そんなこんなで、のんびり旅をしたいな、時間が欲しいなぁなんて思った作品でした。
