あるたま草

毒にも薬にもなりません。のんきな毎日のひとりごと。

初の入院生活その2(出産)

おでこ.jpg

 

陣痛がきつくなって12月5日を迎えます。

 

 

日付が変わっても陣痛は強くなるばかり。もう5分間隔どころか、1~3分間隔で来ています。腰が痛い。そして、お尻に違和感が。汚い話ですが、便が滞留してるけどきばっても出ない感覚。何回もトイレに行きます。きばっても出ません。でもお腹が痛い。分娩時に便を漏らすのは避けたい。なのできばります。何も出ません。これを十数回、深夜に繰り返していました。半泣きです。「うあぁぁぁ、痛いぃぃ。ひぃーひぃー。」とトイレ内で声が出ます。夫がビビって助産師さんを呼んでしまいました。

 

トイレから入院検査室に帰る時も陣痛が来たら動けません。助産師さんが「痛いよねぇー。息ゆっくり吐いてー。そうそう、上手上手。」と言い腰をさすってくれました。さすがにポイントを押さえたさすり方で、だいぶ和らぎます。

 

子宮口チェックも何回かしましたが、3cmとか4cm。全開で10cmらしいので、まだまだゴールは遠く。いくらいきみたくても、出口が開いてないとダメ!とのこと。そりゃそうですよね・・・。頭ではわかりますが、早く産みたい気持ちでいっぱいです。

 

そんな事を4、5時間繰り返したでしょうか。私は早く産みたくて、「まだLDRに移動できへんのか。」とか「もう帝王切開して欲しい。」と言っていました。

 

注:LDRとは陣痛(Labor)、分娩(Delivery)、回復(Recovery)の略語で陣痛室・分娩室・回復室が一体となった個室のことらしいです。

 

痛くてもいきめない。ソフロロジーを奨められていたので、ひたすら鼻から息を吸って、口からゆっくり長く吐く事を心がけていました。律儀な私。辛い時間でした。

 

さすがに我慢も限界で3時頃、ヘルプのナースコール。助産師さんが触診してくれます。ちょっと長め、グリグリしてるような感じ。

 

助「今ね、指で開いてみて7cm。だいぶ開いてるよ。」

私「ほ、ほんとですか。」

助「また陣痛進んでからLDRに移動するのしんどいし、もう入る?」

私「入ります!」(即答)

 

そういうことで、LDRへ。入っても1時間ぐらい夫と私のみ。ひたすら陣痛に耐えます。トイレも中にあったのでこもりました。この時、隣でも他の方が同時進行だったようです。

 

5:00頃でしょうか、もうさすがに痛みが尋常でなく切羽詰まってきてナースコール。助産師さんが来てくれて、内診してやっとGOサインが出ました。子宮口がやっと開いたようです。「待ってね、防水シート敷いて準備するから。」と言われ、「やっと産める!」と私は喜びました。「ここまで来たらもう8割9割済んだようなもんだからね。」との言葉。そうでしょう、そうでしょう。この時をどれだけ待ったか。

 

モニターを付け、足を上げた体勢で固定、酸素マスクをつけて呼吸を整えます。左手はベッド脇のバー、右手は夫の手。痛みが来たら、フー、ウンでいきんで下さいとのこと。真面目に言われた通りにします。待ちに待ってた出産、陣痛から解放されるかと思うと気持ちに余裕がありました。いきむ度に助産師さんは「そうそう、上手上手ー。」と声をかけてくれました。夫も「上手やぞ。大丈夫や。」と必死に応援してくれました。

 

何度かいきみを繰り返したところで私の母も到着。LDRに入った時点で夫が実家に電話してくれたようです。夫は腰さすり係以外にも励まし係、水分補給係、タオル渡し係など何役も立派にこなしてくれました。感謝!

 

私「今どんな状態ですか。」

助「卵ぐらいの大きさで赤ちゃんの頭が見えてる。結構髪の毛フサフサよ。」

私「へぇー。」

 

私「今どんな感じですか。」

助「出てきて、少し戻ってというところよ。」

 

こんな風に、陣痛の合間に助産師さんに聞きまくりました。もう、やっと赤ちゃんに会えると思うと陣痛も何のその。会陰切開もどうぞどうぞという感じ。この辺から生まれるまでやや記憶が曖昧なのは、さすがに疲れていたのかも。

 

何度か陣痛が来たらいきんで、を繰り返した後、「もう普通の呼吸をしていいよー。」と言われます。「あれ、そうなの?」と思い、ちょっと休憩モードに入ったすぐ後。

 

デロロロン!(という感触)

わぁ!なんか出た!

 

「え?」と思ったら胸の上におくるみに包まれた我が子が。「フギャアー!」と泣いています。夫は男泣き、母は拍手。カンガルーケア、その後は初乳を飲ませます。

「おめでとうございます。6時4分、女の子です。」

我が子は小さくて、顔を真っ赤にしてひたすら泣いています。「やーっと会えたぁ!」私の第一声です。予定日から12日遅れてやってきた我が子。どれだけ待ちわびたか。

 

顔を見て「ちっちゃーい。」というと、助産師さんに「おっきいよー!」と言われました。そう、体重3422g、身長49cmの立派な赤ちゃんでした。指先、爪が綺麗です。記念撮影などして和みます。

 

産後、麻酔して会陰切開の縫合、後産処理(ズルンと出てきてびっくり)、抗生物質の点滴、導尿などしました。大仕事やり終えた後は何されてももう余裕です。出血が530mlと多くてやや貧血に。長めにLDRに滞在しました。

 

落ち着いたら私の父も見に入って来ました。「べっぴんさんやし。」とのこと。夫は職場に電話をかけていました。電話の向こうから歓声が聞こえたそうです。ほんと予定日過ぎてご心配かけてすみません。でも私の力ではどうにもならない事でした。ここまで遅れるとは予想外ですもん。

 

さて体調も戻って病室へ移動です。個室希望だったのですが、個室はトイレが遠いため貧血のあるうちは念のためトイレのある二人部屋を勧められました。車椅子に乗せられ移動。鉄剤も出されました。

 

ついに人生初の入院生活の始まりです。