あるたま草

毒にも薬にもなりません。のんきな毎日のひとりごと。

『吉田自転車』

吉田戦車がマイブームな私は先週月曜日に「吉田電車」と「吉田自転車」を同時買いしたのでした。 ==== 愛車「ナイスバイク号」に乗って近場をサイクリングしつつ、新しい名所やお店などを見つけていくエッセイです。秋から冬にかけてのエッセイらしく、寒さのために躊躇する場面などが出てきます。今の季節共感できることばかりです。もう車を手に入れたらなかなか自転車に乗ろうとは思わないですが、暖かくなってきたらまた自転車で運動がてらウロウロしてみるのもいいかな・・・という気にさせてくれるエッセイでした。

 

170ページにこんな文章があります。

 

ベンチで足をもみながらしばらく自問自答してみる。 俺はなぜ自転車の遠乗りなどするのか。 答えはもちろん「おもしろいから」であるが、それでは今の痛い状態が、お前はおもしろいのか。 困ったことに、この日常的ではない疲労感もまたおもしろいのだ。

 

これです。他の人に「バカ」「ワルノリ」などと言われるような事を面白いと思える心が吉田戦車にあるんだと思います。私もバカと言われるような事を好き、やってみたいと思う部分があるので何か親近感が湧くのでした。 車でどこそこ行った、と言っても普通ですもんね。いつもと違うことをするから面白いんでしょうね。私も高校時代、電車で20分かかるところを一度だけ1時間弱かけて行った事があります。未知の遠さだったのですが、到着した時は自力100%の達成感というか、「本当に着いちゃったよ」的な、上手く言えませんが何か不思議な感覚になったのを覚えています。「自転車でも来れるんだなー」と。電車を使うとどうしても「どこでもドア」的な、乗ったらもうそこに着くという中間部分が抜けた感じだったのが、家から高校までが本当に地続きなのを実感したという感じでしょうか。 まぁ、到着した時のお尻の痛さに「もう二度と自転車では来るまい」と決心したんですけどね。普通のママチャリに一時間乗ったらお尻が痛くなります。オススメできません。もっと快適な良い自転車でないと。 などと、自分と自転車のエピソードなども思い返させてくれるエッセイ「吉田自転車」でした。吉田戦車ファン、また気楽な暇つぶし本をお求めの方にはオススメな本です。内容はくだらない事と言えばくだらない事100%ですもんね。でも吉田戦車は文章上手いなぁーと思うのでした。